医療機関の会計の特徴
1.高い固定費
病院・医院では医師、看護師、技師等、専門資格を有する人材の確保が必要となります。そのため、人件費率が高くなります。 また、診察室、病室等を含む広大な敷地、建物や、各種医療機器等の設備投資が必要となるため、減価償却費が多額に計上されることになり、これが人件費とともに高い固定費を構成する要因となります。
もっとも、病医院は他業種に比べ固定比率が高いため、利益構造にも特徴があります。売上に対し比例して変動する変動費は、病医院の場合、他の業種よりも少ない傾向にあります。売上から変動費を差し引いたものを限界利益といいますが、固定費が高く、限界利益率が大きい病医院においては、損益分岐点(売上と費用が同額となるところ、つまり、利益がゼロとなる点)の売上を達成するまでは大きな損失を生じる一方、分岐点を超える売上高が得られれば、大きな利益を得られる財務体質をもっています。損益分岐点を超え高い収益性質をつくることが経営のポイントとなります。
2.高い設備投資費
病院・医院は設備投資が大きいため、多額の借入金が生じやすく、借入金の返済金も多くなりがちです。借入金は税金を支払った後の利益が返済原資となるため、損益上は黒字でもキャッシュフローは赤字になることがあります。
また、個人経営の病医院は課税所得も大きく、所得税・住民税などの税金の負担も多額になり資金繰りを圧迫する要因となることもあり、節税対策と借入金返済計画がとても重要なポイントとなります。
貴院の損益分岐点を確実に把握し、十分な利益を確保できるよう固定費の圧縮対策と増収対策のご提案を行います。また会計上の利益のみならず、税務・財務の戦略を用いてキャッシュフローを重視した経営を実現いたします。
分院化
医療法人を拡大して、分院を開設する場合、管轄の都道府県へ認可申請を行う必要があります。この分院化についても経験が豊富なので認可申請業務を院長に代わって行います。さらに分院化後も、立ち上げの収支計画、分院長との面談、売上改善についてアドバイスを行います。理事長は本院の診療に集中し、分院の収支は当事務所がサポートします。
事業承継
現在の医療法人は、平成元年の一人医師医療法人制度の制定により大幅に増加しました。すなわち個人クリニックが医療法人化することを認めたのです。その制定から長い年月が経ち、経営者も高齢化して事業承継を考える時期にさしかかりました。一概に事業承継と言っても、子供に承継する、他人に承継する、他の医療法人に売却する、個人クリニックに組織変更して縮小するなどさまざまなパターンがあるでしょう。役員退職金をいくらにするか?それも税務的に大きな問題です。
当事務所は、医療法人経営者の希望にあわせて、さまざまな事業承継の形を提案します。そして事業承継後も、その医療機関が安定的に経営できるように、末永くお手伝いします。